リーンキャンバス:事例・テンプレート(無料)・書き方から活用方法まで分かりやすく解説

リーンキャンバス

今回は、特にスタートアップを始める方、イノベーションを起こすような新規事業などを考えられている方向けに、リーンキャンバスについて実際に無料で活用できるテンプレート資料も併せてご紹介していきたい。

自社のビジネスを客観的に捉え、特に「誰の」「どのような課題を」「どのように解決するのか」という部分について考えを整理するツールとして利用してほしい。

リーンキャンバスとは?

リーンキャンバスは、『Running Lean』の著者アッシュ・マウリャ氏によって提唱されたフレームワークだ。特にスタートアップが事業アイデアを整理し、検証修正などをする際のたたき台として、そのアイデアやプランを整理するのに最も効果的だと考えた手法である。

より一般的である「ビジネスモデルキャンバス」からスタートアップには重要でない項目を省略したもので、スタートアップのビジネスモデルを可視化するツールとして使われている。

ビジネスモデルキャンバスについては、以下記事でまとめているので参考にしてほしい。

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テンプレートダウンロード資料(ppt、excel)

パワポとエクセル形式で書き込みができるテンプレートを無料ダウンロード可能な資料として用意したので、活用してみて欲しい。スプレッドシートやスライド、keynoteなどの場合は、変換サイトなどで利用ができると思うので、確認してみてほしい。

リーンキャンバス/テンプレートダウンロード

リーンキャンバスとビジネスモデルキャンバスの違い

リーンキャンバス、ビジネスモデルキャンバス、2つの違いとしては大きく2つ、「成長曲線」と「市場環境」がある。まず、成長曲線について、ビジネスモデルキャンバスが初期の段階から比較的一次関数的に成長をするスモールビジネスであるのに対して、リーンキャンバスはいわゆるJカーブのような、スタートして一定赤字状態が続くような状態から一気に成長する状態という違いがある。

次に市場環境について、ビジネスモデルキャンバスではいわゆるスモールビジネスを対象としているため、基本的には既に市場は存在しており、そこでいかに自社の強みや違いを活かして戦っていくかという環境に対して、リーンキャンバスではそもそも想定している市場が存在するかどうかもまだわからない状況で、ビジネスをスタートし自らが新たな市場を創造していくようなイメージだ。

例えば、空き部屋を貸したい人(ホスト)と部屋を借りたい旅人(ゲスト)とをつなぐWebサービスで、今や日本を含む世界190ヶ国34,000以上の都市で利用されているairbnb(エアービーアンドビー)や中古品の売り買いができるマーケットプレイス市場を作ったメルカリなどがその典型的な例だ。

9つの構成要素の内容

9つの項目について、ここでもビジネスモデルキャンバスとの違いがあり、ここで最も重要な項目は「課題」と「顧客セグメント」だ。そのため、埋めていく順番としてもその重要な順に数字が配置されているという意味がある。

①課題

提供しようと考えている商品・サービスが解決しようとしている課題である。ここでは、まだ仮説段階の状態であるため特に正解・不正解を考えすぎず、複数ある場合には3つほどの絞って書き出す。

②顧客セグメント

想定している課題は誰が抱えているものか、の部分だ。リーンキャンバスの特徴として、新市場の創造の場合に当初想定する顧客としてはアーリーアダプターと言われる層を考える。

またビジネスモデルキャンバスと同様に、より具体的な人物像、いわゆるペルソナを考えることがここでも重要である。

③独自の価値提供

ここが非常に難しい部分と言われており、他にはない自社製品・サービスの固有の価値、最大の売りの部分だ。

④ソリューション

①で想定した課題をどのように解決するのか、という具体的な解決方法の部分だ。ただ、①の課題も現実の確実に存在するということではなく、まだ仮説、想定した課題であるため、解決方法の詳細にあまりこだわる必要はない。

⑤チャネル

顧客とどのように接点をもつのか、という部分だ。スタートアップの場合、協力会社や会社資産、資金も少ないため、この段階では「どうやれば顧客と直接対話できる機会が増えるか」を考えると良い。

例えば、無料で活用できるSNSでコミュニティーを作ったりオンラインイベントと行ったり、最近ではビザスクのようなサービスを利用して顧客の課題をより正確に把握するためのインタビューをすることで、課題の質を高めている取り組みも多くある。

⑥収益の流れ

どこから、どのように収益を得るのか、そしてその収益モデルはどのような形態になっているのか、の部分だ。その際、出来るだけ因数分解された形で「単価」「粗利」「取引回数」などに指標となるような単一の数値を把握しておくことも重要だ。

⑦コスト構造

価値提供するにあっってかかり費用のことだ。多くの場合、プロダクトの開発費用やエンジニアなどの人件費、システムのサーバ代など、特に初期に設備投資などが必要なビジネスでは重要な要素だ。

⑧主要指標

スタートアップがプロダクトマーケットフィット(PMF)に到達するために計測し続けるべき定量的指標のことだ。汎用的に使える指標としては、デーブ・マクルーアが提唱しているAARRR指標だ。PMF前達成前は、自社の製品に触れた顧客が実際にその製品を利用する(アクティベーション)率と再利用(リテンション)率が重要になる。

⑨圧倒的な優位性

競合サービスに対する優位性になりうるものを考える。作成段階では詳細に埋められなくとも問題ないが、例えば、「顧客情報」「ネットワーク効果」「専門家の支持」「組織」などがある。

活用場面とメリット

リーンキャンバスを活用するメリットはいくつかあると思うが、ここでは以下3つをご紹介する。

チーム内での共通言語としての機能

そもそも仮設ベースでの内容であるため、継続的に見直しがなされることも多く、その際にリーム全体で簡潔かつ網羅的にビジネスを把握することでできるため、方向性を一致させることができる。

ピボット時の納得感

仮説検証をしていくなかで、当初の計画を軌道修正していくことになるが、その際にこれまでどのような仮説を立て、何が検証され、どのような結果になっているのか、ということがわかりやすく把握できる。

高速での仮説検証が可能

競合他社に先んじて市場リーダーになるためにも、数多くの軌道修正がある取り組みにおいてその仮説検証を高速で行えることは強みにもつながり、そのための制度および速度を高めることが可能になる。

事例

ここで、実際に有名企業のリーンキャンバスをいくつか例としてご紹介したい。

参照元:BizMake MEDIA

参照元:BizMake MEDIA

優良企業をはじめ、自分の気になる企業や直近成長をしている企業など、注目企業のビジネスモデルや収益構造などを分析することで、より引き出しの数も多くなると思う。

mihonitiでは、そのような注目企業のビジネスモデルやサービス内容を中心に記事を作っておりますので、よろしければ他の記事なども覗いてみてほしい。他にも多くの事例はあるので、気になる方は他のサイトなども確認してみてほしい。

おすすめ本

最後に、リーンキャンバスについて、もう少し詳細に知りたい、社内全体で今後も継続的に活用していきたい、という方に参考になるおすすめ本をご紹介したい。

Running Lean

『Running Lean』は、成功率を上げたい起業家向けのハンドブック。スタートアップを作る実践で培った手法を詳細に解説した本だ。

本書では、顧客が必要とするMVPを構築する方法、構築・計測・学習ループを高速化する方法、製品/市場フィットを達成する方法などについて、リーンキャンバスや顧客インタビューの手法を使いながら具体的に解説している。

 

リーン・スタートアップ

リーン・スタートアップとは、新しい製品やサービスを開発する際に、作り手の思い込みによって顧客にとって価値のないものを作ってしまうことに伴う、時間、労力、資源、情熱のムダをなくし、時代が求める製品・サービスを、より早く生みだし続けるための方法論。

具体的には、まず要となる仮説に基づいて実用最小限の製品(MVP)をすぐに作って、実際に顧客に使ってもらった実験結果から、成長につながる価値を学ぶ(検証による学び)という工程で、事業として継続できるかどうかを見る、著者ならではの鋭い指摘が示されている。

 

入門 起業の科学

本書は、これから起業したい人、新規事業を立ち上げたい人に、「この先に待ち受ける課題と解決策」の全体像をお伝えすることで、起業への不安を解消し、起業へのモチベーションを高めることを目指した内容となっている。

「起業が成功に至るプロセス」の全体像とそのエッセンスをコンパクトに凝縮されている。「ゼロからイチ」を生み出せる人になりたい。そう感じたとき、ぜひ手にとっていただきたい書籍だ。

 

本サイトでは、他にもビジネスに関連するおすすめ書籍を様々な観点でまとめたページもあるので、よろしければ覗いてみて欲しい。