自分で会社を設立するまでの流れ(前半):手続きや費用、登記場所、登録免許税の軽減による7.5万円安くなる方法を解説

会社設立の流れ・体験談

2020年の全国の新設法人は13万1,238社(前年比0.1%減)で、2年ぶりに前年を下回ったものの、依然として毎年13万社程度の新設法人が誕生している。私個人はこの7月に株式会社の法人を設立する予定で、まさに諸々準備を進めている状況だが、本当に何もわからないことが多く予想以上に時間がかかった。

・今後自分で会社を設立する予定で今からある程度の知識は入れておきたい
・直近起業や法人設立を考えていて、具体的な進め方など必要な情報や全体像を把握したい
・創業時に利用できる施設や制度を把握しておき、出来るだけコストが少なくスムーズに設立したい

そこで今回は上記のような方向けに、私が事前に知っておきたかった情報や設立過程で知り得た有用な情報などを余すことなくお伝えしていきたい。一気に全てをお伝えすると文量が多くなるため、一旦まずは次の図にある「会社の基本事項の決定」部分までを前半としてお伝えしたい。意外と会社設立に関する生の情報が少ないため、何かしらの参考になれば幸いだ。

会社設立の流れ・フロー全体図


上の図は、会社設立までの一連の流れを図にしたもので個人的に早期に知りたかった情報だ。設立に関連する断片的な情報は多く転がっているものの、全体像としてイメージできるものが意外と少なかった。

と言うのも、やはり何もわからない状況だと、まず何から何を準備すれば良いのかという検討、見通しもつかない。それが故、場当たり的に進めてしまい、後から取り掛かっても良いもの、今やらなければならないこと、今しかできないことなどの順番が逆になってしまうのは避けたい。

実際に更に細かい手順や準備などは本当に設立直前(2週間程度)であるため、まずは全体の流れの把握と今後どのようなことが必要になるのかなどを、各窓口で直接話を伺うことをおすすめする。

各種相談窓口の活用

ここでは先ほどお伝えした各窓口について、実際に私が利用したものも含めていくつかご紹介したい。特に、創業までに少し準備期間あるような方は積極的に活用をおすすめする。対象としては、以下のような目的がある方のイメージだ。

・事業サービス内容の相談、壁打ちをしたい
・税理士、社労士、行政書士、弁護士などへ相談をしたい
・創業時の補助金、助成金などの情報を知りたい
・会社設立にあたって何をどう進めれば良いか、一から相談したい


これらはすべて無料で使えるサイトや施設で、実際に私もすべて利用し非常に有益だと感じた。特に各専門家の方に無料で相談ができる機会があるのは非常に良い機会だと思う。

会社設立に関わる専門家について

ここでは、具体的な設立の取り組みを始める際に関わる、各専門家の役割と創業時のタイミングで関わりが必要な専門家をお伝えしたい。自分で会社を設立するといっても、少なからず専門家の方の協力が必要なためだ。会社設立時、設立後含めて関わる可能性のある専門家、士業は以下の通りだ。

・税理士
・行政書士
・司法書士
・社労士
・弁護士

それぞれの詳しい説明については、他でより専門的に解説しているサイトもあるので検索してみて欲しいが、ここでは認識として最低限必要な内容とまず初めの設立時にはどの専門家に相談するべきかという観点で話していきたい。

税理士

まず、設立時には税理士に相談をするのが良い。例えば、会社を設立するにあたって株式会社が良いのか合同会社が良いのかの判断や、税負担が軽減する事業年度や決算月の決め方、その他具体的に税務署に届け出なければならない書類についてもサポートを受けることができるためだ。

ここで問題になるのが、どのように良い税理士を見つけるかだろう。ここについては私もわからないことが多く、非常に時間がかかったがその中で学んだ参考となる情報をお伝えしたい。まず、周りに既に起業されている方や知り合いの税理士の方がいる場合には、紹介経由など信頼のおける方の周辺で探されるのが時間的にも間違いない動きだと感じる。

私もそうだったが、周りのそのような方が居ない場合には、以下の3つのサイトで複数の税理士と話をしてみるのが有効だろう。どれだけ時間をかけても正解は分からないので、複数人の方とお会いして内容や相性などを考えて決めるのが良いと感じた。

税理士ドットコム

マネーフォワード公認税理士 or freee公認税理士

e税理士(創業手帳運営)

私の場合は、税理士ドットコム、マネーフォワードを利用し、そこで税理士の方3~4名ほどの方とお会いして、それぞれ45分程度お話しして決めた。ここでマネーフォワードを選択した理由は、会社設立後もマネーフォワードのクラウド会計システムを利用する予定があったからだ。

行政書士

行政書士の特徴は、許認可などの行政手続きを行える点だ。公証役場や市町村の役所・役場といった行政機関へ提出する書類の作成を依頼することができる。例えば、飲食店事業や建設事業、人材事業などで特定の許認可が必要な場合には行政書士の力を借りる必要がある。

司法書士

司法書士の特徴は唯一、法人登記の代理申請ができる点だ。行政書士と近しい部分もあるが、数ある士業の中で司法書士だけができる独占業務である。以下に行政書士と司法書士の違いを示した図があるので参考にしてほしい。

社労士

社労士(社会保険労務士)の役割は、社員の入社に伴う社会保険手続きの他、退職に伴う離職票の発行、就業規則の作成といった労務管理の相談やアドバイス、公的年金相談など内容は多岐に渡っている。つまり、基本的には人を雇用する場合などに力を借りる必要があるため、創業まもない法人や1人法人の場合には当面必要ないことが多い。

弁護士

弁護士については、考え方にもよるが基本的には当初は必要ないことが多い。一部、何かあった際のリスクヘッジとして最初から顧問契約される方もいらっしゃるようだが、まずは小さく始めようという方には不要だろう。依頼できる内容としては、法律相談や契約書作成、リーガルチェック、訴訟管理、コンプライアンス制定などがある。

細かい契約書などが事前に必要な場合には、依頼するのもありかもしれないが、最初の段階では無料で相談や依頼が複数回できる商工会議所などで専門家に相談することも有効だろう。

会社設立までの流れと取り組み内容

ここからは、具体的に会社設立までの流れと実際に取り組んだ内容についてお伝えしていきたい。時間的な制約があり、最速で会社設立したい人にとっては一部不要な取り組みもあると思うが、多少なりとも時間がある方には非常に有益な準備だと思うので、是非参考にもらいたい。

登録免許税の軽減

これは必須ということではないが、専門家に相談もしながら登録免許税が半額になる証明書ももらえる取り組みなので、時間に多少余裕がある方にはおすすめしたい内容だ。この内容については意外と情報が少なく、私も創業時に活用できる補助金などを探していた際に知った情報だが、これから会社設立をされる方には是非知っていただきたい情報だ。

(通常)会社設立時にかかる費用


まず、通常は上の図のような設立費用がかかるとアナウンスがされている。ここに記載されている「登録免許税」という部分において、軽減の余地があるのだ。

会社設立をしようとした際には、色々と相談相手が必要だと思うが、それを各相談窓口で行いながら免許税が軽減される証明書を得られのため、まずはその動き取るのがおすすめだ。時間としては約1ヶ月程度(回数としては4回程度)を想定していただければ良いだろう。

特定創業支援事業

上記、登録免許税の軽減を受けるためには、以下の取り組み(※特定創業支援事業)を受ける必要があり、私は(3)を受けたが、開催タイミングや時間的に、恐らくほとんどの方も各区の商工会議所で行うのがベターだろう。

※特定創業支援事業
経営・財務・人材育成・販路開拓に関する知識のすべてを習得させるために、1か月以上継続的に支援する事業です。この支援を受けた方には、申請により証明書を発行します。その証明書によって、創業にあたってのさまざまな優遇が受けられます。千代田区では以下の3つの事業を実施しています。
(1)千代田区役所 ー ワンストップ相談窓口
中小企業診断士が2名常駐し、専用の相談室で事業計画書の作成や融資あっせん、諸手続きの案内など、創業に関する様々なサポートをします。1か月以上かつ4回以上かけて支援を受けた場合に特定創業支援事業を受けたことになります。
(2)公益財団法人まちみらい千代田 ー ビジネス起業塾
創業に必要な知識・考え方を学び、最終的に事業計画書を作成するまで支援する全9回の一連講座で、女性起業家編、一般起業家編などを実施しています。全9回のうち7回以上出席した場合に特定創業支援事業を受けたことになります。

(3)東京商工会議所千代田支部 ー 創業窓口相談・専門家相談
相談員が常駐し、事業計画、諸手続きなどの相談に加え、課題に応じた専門家(中小企業診断士・税理士・公認会計士等)も加えて継続的にサポートします。1か月以上かつ4回以上かけて支援を受けた場合に特定創業支援事業を受けたことになります。千代田区創業支援事業 – @千代田区役所

私は登記場所を千代田区としていたため、千代田支部で受けたが、これは他の市区町村ほとんどの所で行っているものかと思うので、一度自身の登記場所で該当するものがあるか確認してみてほしい。

認定証取得によるその他メリット

創業支援事業を受けると認定証が得られ、登録免許税の軽減が受けられるが、他にも以下のような今後に繋がるメリットもある。

2.創業関連保証の特例
無担保、第三者保証人なしの創業関連保証を、事業開始の6か月前から利用することが可能となります。
創業する区域:千代田区以外でもこの特例は受けられます。
3.東京都創業融資の特例
東京都の創業融資を利用する際の融資利率が0.4パーセント優遇されます。
創業する区域:千代田区以外でもこの特例は受けられます。
4.日本政策金融公庫新創業融資制度の特例
創業前または創業後税務申告を2期終えていない事業者に対する無担保・無保証人融資制度である新創業融資制度は、創業資金総額の10分の1以上の自己資金要件を満たすものとみなされます。また、新規開業支援資金の貸付利率の引き下げの対象となります。
創業する区域:千代田区に限ります。

その他に国や東京都の創業に関する支援制度で、特定創業支援事業を受けることが申請要件となる場合があります。千代田区創業支援事業 – @千代田区役所

会社の基本事項の決定内容

いよいよ前半部分の最後で、一般的にイメージされている会社設立の準備にあたる内容をお伝えしていく。まず最初に決めなければならないのが、「商号(会社名)」「本店所在地」だ。

実際にマネーフォワードクラウド会社設立で進めていくと、以下のような形式になっており、会社設立の手続きの前に、まず初めに「商号(会社名)」と「本店所在地」を記入する必要がある。


商号(会社名)

会社名については、もちろん基本的には自由に決めることができる。注意点としては、同一住所に同一の商号(会社名)がある場合は、株式会社の商号として登記できないため、事前に本店所在地を管轄する法務局に類似商号を確認しておく必要がある。

その他のルールやネーミングポイントについては、以下サイトが参考になるので確認いただければと思う。

本店所在地

恐らくその基本事項の中でも、所在地については多くの方が多少悩まれる部分ではないだろうか。場所そのものはもちろん、バーチャルオフィスか、レンタルオフィスか、自宅か、など。

基本的に固いルールはないが、先程ご紹介した登録免許税の軽減を受けるためには、創業する区域で特定創業支援事業を受ける必要があるため、最低限、創業する「区」は決めておきたいところだ。私の場合はそれぞれのメリットデメリットを考えた上で、「バーチャルオフィス」を選択した。

その際に参考にしたサイトやバーチャルオフィスサービスをいくつか紹介しておく。個人的にはそこまで必要性がなければ、まずは費用があまりかからないサービスを選択することをおすすめする。

オフィスの検索サイト(シェア・レンタル・バーチャル)
Hub Spaces(ハブスペ)

バーチャルオフィス
ナレッジソサエティ

レゾナンス

ワンストップビジネスセンター

総括

少しボリュームが多くなったが、今回はまず会社設立の流れについて前半部分までをお伝えした。後半の内容については、具体的な登記手続きの内容や並行して進めていたその他の準備に関することなどをお伝えしていきたい。

この記事を参考に少しでもスムーズに起業準備が進み、その後の事業が発展することに少しでもお役に立てれば幸いだ。